文章修行 2005-01-14 08:29:32

 文章を書くのには、何よりもまず練習なのだろうが、それではどのような練習をしたらいいのか。短い文章であっても、本気で書くとなるとかなりの時間と労力を使う。といっても、もう学生ではない私としては、そのような時間を毎日作ることは出来そうもない。私の状況では、せいぜい週一回、本気で書けるかどうかだが、それでは練習量として少ない気がする。どうしたらいいのだろうか。

 今、私が考えているのは、完全に本気の文章を毎日書くのはあきらめ、少しだけ気を使った文章を毎日このブログで書くという方法だ。文章を書くときに、意識的に守るルールを決め、習慣化させるようにするのだ。主に、「論理トレーニング101題」を参考にするが、自分なりにいいと思ったこと、聞きかじったことはどんどん採用するようにする。

 とりあえず、今心がけていることを順不同で書き出してみる。

 ・横書きでも段落の最初の言葉は、一文字開ける。

 縦書きの日本語は、冒頭の一文字を開けると学校で習うが、私は、横書きの場合の正式な書き方は学校で習った記憶がない。そのせいか、ブログなどでも、多くの人が冒頭の文字を開けずに書いているが、私が読んでいる限り別に弊害はない。だから必ずしも横書きの冒頭の一文字を開けるべきだとは考えないのだが、横書きの先進国である英語などを見ると、必ず冒頭の文字は開けてある。ブログの場合は、段落ごとに一行開けている人が多いため、冒頭の一文字を開けることで段落の区切りを示す必要性がないのかもしれない。だが、それ以外にも、何か冒頭の一文字を開けるメリットがあるかもしれない。しばらくは、私は一文字を開けてブログを書いてみる。

 ・主語の「私」を適切に使うようにする。

 私は、日記の気分でブログを書いてきたので、当たり前の主語である「私」を省きがちである。実際それでも、私も読者の方も困ることはないのだが、何かを主張するような日記ではないような文章を書く場合、本来は「私」が感じたり考えたりしただけなのに、主語を省くことでそれがあたかも常識であるかのような印象操作をすることになりかねないと、私は思うようになってきた。過剰な主語は(少なくとも私には)不自然で読みづらい日本語の原因なのだが、できるだけ主語を使うように試みたい。

 ・段落の冒頭に一番重要性の高い文章を持ってくる。また、段落の最後の文章との関連を考えていく。

 段落の冒頭でその段落の一番言いたいことをのべ、次に理由や実例を挙げ、その段落の最後に、冒頭と同趣旨の文章か、次の段落につながるような文章をおくということである。私がやってみると、意外にこれが難しく全ての場合に適用することは今のところ出来ていない。また、こうすると何故いい文章につながるのか、という理由も漠然とした感じしか私の中になく、その理由を明確化していく必要も感じている。

 ・定型化、陳腐化した表現を意図的に使ったり使わなかったりする。

 「胸をなでおろした」「腰を抜かす」など、実際に胸や腰がどうこうした、というのではなく、そのシチュエーションをコンパクトに表現するための定型的な表現に対して自覚的になるべきだろう。文章をコンパクトにして、言いたいことだけを伝える場合は便利だが、きちんと状況を述べたいと思う時には使うべきではない。これはホームページ「有田芳生の今夜もほろ酔い」の2005年1月12日の日記にあったものを参考にした。

 これだけではきちんとした文章を書くにはまだまだ足りない要素が多い。しかし、今の私にはこれをきちんと守ろうとするだけでもかなりの労力になる。ある程度これらに習熟したら、また次の課題を自分に課そうと私が思っている。その時に、今の自分よりも少しでも文章力と思考力が向上していればいいと思う。