12.29 ナチズムの教訓を、今に生かそう 2004-12-29 12:40:03

時間が空いたときにネットでいろいろニュースを追跡してみた。

二階堂ドットコムというところがあったので少し読んでみて驚いた。中国、朝鮮、韓国人に対してものすごい差別意識があるようだ。いやあ、本当に日本は「戦前」になっているんだなあと痛感した。国の借金がものすごい量になり、政府は有効な政策をとれず、国内外の特定民族に対して国が滅ぼされるという危機感を煽る人々がいる。ナチズムが急成長する直前のドイツと似ている。

現在、ユダヤ人を劣った人種だと正面切っていう人はさすがあまりいないだろう。だがユダヤ人が嫌いとか、彼らが世界を裏で牛耳ってると考えている人はたくさんいるだろう。実際にユダヤ系の人々があらゆる知的な分野で活躍しているのを見れば、それに不満を抱く人々が発生するのは当然である。その気になればユダヤ系の関与していない企業や政治家のほうが少ないだろう。そうやってあいつも、こいつもユダヤだったか、という具合に「真実の暴き」が進展していくのである。

日本の場合は、中国・朝鮮系の人々が、没落しつつある日本を追い越しつつあるという背景がある。実際に凶悪な人々、北朝鮮とつながっている人々も多そうだが、そういう人たちを暴いていくことにあまり意味があるとは思えない。なぜなら、彼らは何十年も前からずっとそういうことをしていたからで、今になって大騒ぎするのは遅きに失すると思う。何故今騒ぐのか、それは没落者(日本)の焦りや僻みが背景にあるのではないか。

やつらが日本をのっとろうとしている、という論法はそのままナチスの論理と重なると思うがどうだろうか。

こういう傾向が強くなるのは、日本人である私にとっても息苦しいことである。私はフリーターでだらだら生きていこうと思っていたが、正直こういう傾向が強くなるのであれば、日本がおかしくなりきる前に日本を逃げ出すことを考えなくてはいけない。そのために金をためたり職能を身につける必要もあるだろう。気が重い。荷が重い。日本でうまく暮らせない僕が外国で暮らせるわけもないのだが。愛国主義が沸騰している日本なんかでは絶対に暮らしたくない。

しかし、中国・朝鮮系の陰謀を暴こうとする人たちが全員根っからの差別主義者とか、ファシストではない。人種差別には反対するが、事実としてこういう陰謀があるとして指摘している、という人もいることはいるだろう。しかし、こういう人たちが活動していくことが、だんだん重なって、危険な世論を生み出していくのではないか。その中で才覚のある人たちが、タイミングをつかむとナチズムのようなことになるのだと思う。

いろいろ気をつける兆候があって、ナチズムを参考にすれば大体わかると思う。

ランダムに思いつくままかいてみる。

・若者を誘う。

大体若者は既存の社会に不満を持っているものである。また、新しい考え方になじむのも若者は早い。社会が不満を持っているときは大体若者をうまく社会の構成員として生かすことが出来なくなっているときだと思う。(今の日本もそうだ。異常なほど就職者が減っている。)

・明快な答えを教えてくれる。誰が悪いのかを教えてくれる。

ナチズムは明快であった。ドイツが負けたのはユダヤ人と共産主義者が背後から裏切ったからであった。日本が没落しているのも、アメリカにいいようにむしられ、朝鮮人が日本人に成りすまして寄生しているからである。
いったんこの「真理」がわかれば、社会のさまざまな現象が統一的に理解できるようになって来る。そうか、あの事件も、この経済現象も、あの会社がつぶれたのも、俺が就職できないのも、「やつら」とやつらに操られた売国日本人が政治と経済と教育を操ったからなんだ。

・君の行動が社会を変えることが出来る、と教えてくれる。

われわれは君たちの覚醒と行動を必要としている。われわれの組織はまだ小さい。一人でも多くの人々が真実に目覚めて、ともに行動してほしいのだ。君のちょっとした行動が、君の周りから社会を変えていってくれるのだ。

・君は価値のある存在だ、と教えてくれる。

君は学歴もなく、女にももてなく、仕事にもうまく就けない。君は自分がまるでだめな存在だと思っているね。それは違う。価値がなく、欺瞞に満ちているのは君を受け入れない社会のほうなのだ。われわれは君たちのすばらしい価値を知っている。そしてそのことが受け入れられるような社会を築こうとしているのだ。

・われわれは平和を愛するが、必要とあれば時として断固とした処置をとる覚悟がある。

政府を見たまえ、結局右往左往するだけで、本質的なことには手を入れられないだろう。もはやわれわれが、断固として行動を起こすべきときなのだ。改革に犠牲はつきものだ。犠牲者のためにも、われわれはそれを無駄にすることなく、改革を断行するべきなのだ。

あとは集団の特性によって「鉄の規律」とか、「国家という大義」とかいろんなものを持ち出す。
今、私は自分を説得しようとしている人を想定して、その人が言いそうなことをシミュレートしてみた。

彼らは丸ごとのうそはなかなかつかない。一つ一つは真実であったり、きわめてもっともらしいうそであったりする。それらを統合する原理として、ものすごく大きなうそをつくのである。大きなうそほどばれにくいのである。

どうやって彼らのペースにはまらないようにするのか。僕は少し被害妄想なのでよくそういうことを考えるのである。

彼らはいわゆる既存の共産党とか、単なる右翼のようなものとは一線を画すだろうと思う。それは「目新しい」ということを必要とするからだ。既成の体制も反体制も有効な知見、行動を打てないときに目新しいものが登場するのだ。その本質は、既存の反体制の持つ論理を含みながらも、さらに独自の原理を付け加えている。ドイツを見ればわかるように、世界的に超一流の知識人でさえ、そういう新しい動きの正体を見極めることは困難である。新しい動きは中に矛盾するようなさまざまな思想を含み、いろんな人が自分の持っている改革への期待をそこに見出してしまうのだ。

自分自身を振り返り、ちょっと年を食ってはいるが危険だなあと自分で思う。自分は小心の癖にあるいはだからこそ、かっとすると何かやりかねない面を持っている。まあそれは若い人に共通する性質だとは思うが。

また現在の社会では、まったく存在価値を認められていない。
動機は十分、といったところだ。

とりあえず、いろんなものの見方をしることが、バランスをとるために必要だ。また、歴史を勉強することも有効だと思う。

また、真実を暴く者と自称するものがる、善であり真であるとは限らない。そいつが第二のより巧妙な欺瞞者であるほうが確率としては高いのだ。