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at 2004 12/08 23:15 編集

こないだ血液型性格判断を日記で批判したら、同じようなことを考えている人が多かったらしく、テレビ番組で血液型性格判断をあたかも科学的事実であるかのような表現をしないよう勧告したとある。

おそらく、血液型だけではなくて、栄養や脳を活性化させるという関連のテレビ番組はほとんどが厳密な科学的検証には耐えないものだろうと思う。

もちろんすべてが間違っているといっているわけではない。現在の科学レベルで実証できないが、いずれは出来るような民間医療や、東洋医学の知恵、というものは確かにあるだろうと思う。ただし、残念なことに、東洋医学などはそのままのかたちでは視聴者の「つぼ」にはまらないらしく、中途半端に西洋医学的な見地を取り入れてしまっているので、東洋医学から見ても中途半端なものも多いと思う。

昔汽車が実用されたとき、人体は、そのような高速で移動するようには出来ていないとして、真剣な抗議運動が起きた。肺がつぶれるだの、いろいろ言われたのである。

また、昔日本でテレビが普及したとき、テレビからは放射能が出ているので、前頭葉を破壊するから離れてみなさい、ということが言われたという。ブラウン管は、基本的には電子銃で電子を画面に発射して投影するものだから、誰かが半端な知識で放射能と勘違いしたのかもしれない。

ここで伺えるのは、テレビという新しい生活様式に対して、従来の価値観に夜漠然とした反発が、科学の名を借りて表現されている、という現象である。

まったく同じことが、ゲームをやりすぎると「ゲーム脳」になるという説だ。

誰であろうと毎日ゲームばかりしていたら現実との接触がなくなっておかしくなって来る人もいるだろう。あるいはもともとバランスを崩しているから度を越してゲームをやってしまうということなのかもしれない。

しかし、そういう風には考えずに、ゲームをやりすぎると脳に異常が出る、という風に論じるのである。ゲームという比較的若い世代の風俗に対する社会の批判が、科学の名を借りてなされている。もちろん、ゲーム脳ということを言っている人の説は、強い批判にさらされている。ネットで検索すればいくらでもそのことがわかる。

ウォークマンで難聴に、コンタクトレンズで失明。東大に行くほど受験勉強をしたから性格がおかしい。これらはいずれも世間の価値観では「ああありそうだね。」という気がする。しかし実際にどこまでの事実なのか。本当に検証されているのか。されていたとしても面白おかしくマスコミがゆがめて宣伝していないか。

血液型性格判断は、さすがに行き過ぎていた、ということに過ぎないと思う。

いろいろ気をつけるべき兆候があるだろうが、特に僕は二つのものに、気をつけている。


倫理的、社会風潮などが漠然と感じていることを科学の名を借りて説明しているもの。

ある科学的事実をコアにして、雪達磨式にあれもこれも説明しているもの。

酸性食品アルカリ性食品という分類がはやったことがあった。食物を燃やすした後の灰が酸性かアルカリ性かで食品を分類する。そして体の中で食物が分解されていくのも燃焼と同じだから、血液のpHが食品によって偏ったりする、という話であった。

言うまでもなくひたすら怪しいのであるが、当時はすごく流行し、「科学」として通用した。

幸いに、今はだいぶ廃れたようだが。

問題は、現在認められているような「常識」にもあまり根拠のないものもおおいといこと。逆に科学的でないと思われている常識にもやはり真実が大いにあるということ。


きょうはじかんがないので具体的なことをかけないが、いずれまた触れることもあると思う。結論だけ言っておけば、「じゃあ、お前は科学を信じるのか、逆なのかどうなんだ」といわれたら、「自分の頭で考えて、自分の責任の上で信頼したりしなかったりする。」という至極当たり前のことを言いたい。

みんな考えるのが面倒なだけで、あれこれ飛びついているだけに思える。

友人も言っていたが、そういう人たちは、根拠なく信じ込んで押し付けてくるが、いざ具体的に反論されると、逆に根拠がなく信じてみたお遊びだ、という風に開き直る。

合理的非合理的、という以前に、好みの問題ではあるが、学校で何を習ってきたのかな、チミぃと聞きたくなる生き方である。