九月十七日

at 2004 09/17 23:14 編集

嫌なんです、あなたに感動しちゃうのが。

嫌悪しながらもつい通ってしまう売春宿のように、嘘、誇張と知っていながらも感動してしまう分野が私にはある。それはプロジェクトＸであり、ガイアの夜明けである。

要するに、日本的な、努力と根性で成功を勝ち取ったという話が好きなのである。

松下幸之助が、どんなにインフレでも解雇をせずにがんばったとか、そういう話を聞くと思わず涙が出そうになるのである。

晩年を財テクで失敗し、良くも悪くも典型的な日本的経営の代表である松下氏は、ちょっと宗教じみて思えるほど賛美されている。ちょっと引いてしまう。実際には松下電器は、このままでは生き残れないということで、いろんな改革を繰り返してはいるのだが。

それを知っているのに、それでも感動してしまうのは、なぜだろう。

ライブドアの堀江社長の話を聞いても、心が動かないのは、彼が努力を前面に押し出すタイプではないからだろう。彼にとって努力は少なければ少ないほどいいもののはずで、それは、努力が好きな人の感性より健全だと思う。でも、健全さゆえに私の心を動かさない。

とにかく、プロジェクトＸの田口トモロヲや、ガイアの夜明けの役所広司や蟹江敬三
の物まねをしてしまうくらい、努力の話が好きなのである。