個人の知的生産性をどう定義するか


もう少し勝間さんの記事への疑問を言語化してみよう。

・そもそも知的生産性の定義とは?(知的とはそもそもどういう意味?)

・日本の知的生産性は総じて低いというデータを引用しているが、その算出方法に問題はないのか?またそれは個人の努力で改善できるレベルの話なのだろうか。

・おそらく、知的生産性という同一の言葉で、いわゆる経済学における「知的生産性」(これもあいまいな感じの概念だが)と、個人単位での能率アップを混同した議論を行っているのではないか?

・日本より知的生産性が高い国の実情を調べて比較するというアプローチが何故ないのか?例えば、ダイヤモンドのデータではルクセンブルクが並外れて知的生産性が高いが、それはかの国が「グーグル化」しているからなのか?

・個人レベルの知的生産性はどのように計測するのか。またその算出法はあるのか。それがわからないと知的生産性の向上に関する議論が無理なのではないか。

・そもそも、知的生産性の向上方法は、例えば自動車と携帯電話の工場での生産方式が異なるように、人によって異なるのではないか?

こういった議論をする場合、学術的に何かを見つけ出すわけではないのですから、「知的生産性の定義もしないでの議論は意味がない」という方向に行くのではなく「おそらく、知的生産性というキーフレーズに著者や読者が無意識に複数の意味を読み込んでいるのだから、それを具体例に沿って分析してみよう」という方向で考えた方が建設的だと思います。

ひらたくいえば「われわれは知的生産性の向上」という言葉に具体的には何をイメージし、何を期待しているのか、というアプローチをしてみると言うことです。

また考えが進んだら続きを投稿しようと思います。