ヨ よしなしごと

at 2004 01/29 11:27 編集

今日は休日だが、今日もまた、
全力を尽くして、読書会に参加せねば
ならない。

だから疲れがたまり、特に原因がないのに
背中や頭が痛くなり、疲れきって
自制心を失った話し方をしてしまうのだ。

でも、今は週五十時間以上
働かないといけない状況だから、
あまり深く反省せずに進むしかない。
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昨日の帰りに「これが現象学だ」谷徹 講談社現代新書を購入する。

今朝おきて風呂につかりながら読了。

いろいろ勉強になったが、詳細は
何回も読み直さないと。

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自分がSFを読み出したのはいつ頃
からだろうか。

はっきりした記憶がない。子供の頃は、
SFというよりも、ホラーや純文学などの
子供向けに書き直されたものや、
そうでないもの一緒くたに読んでいたから、
SFとかホラーとかの意識はなかった。

いろいろ記憶をたどってみると、
ハインラインの小説を小学生のときに
ハヤカワ文庫で読んだように思う。

いくつか記憶に残っている短編。

人類はついに宇宙旅行時代を迎え、
月との貿易が盛んに行われていた。

そんな時代でも、誰もが宇宙にいける
わけではない。ロケットの強烈な
加速に耐えられるある程度若くて
健康な人間しか、宇宙に旅立つことが
許されなかった。

だがある老人が、ひそかにロケットに乗り込み、
月に連れて行ってほしいと宇宙飛行士たちに
依頼する。

彼は月との貿易で儲けた大企業の持ち主だった。
彼は少年の頃から宇宙へ行きたくて、
身を焦がしつづけていた。だが、
気がつけば宇宙時代になったとき、
彼はもうロケットに乗ることを
禁じられた老人になってしまっていた。

彼は自分の死期が近いことを悟り、
ロケットに違法であって乗ることにした。
それがほとんど自殺行為であるとしても。

という設定である。
結末は書かないが賢明な読者の方には
大体読めるだろう。

最後のシーンは非常に感動的である。
こういう話は、そのロケットのリアリティ
が古臭くなった現代においても、
感動は変わらないだろう。

もう一つ覚えている話。

宇宙時代の月にある基地。

様々な紛争が激化し、ついに
基地に勤務する青年のところに
上官から命令が降りる。

彼は月基地に保管してある
核爆弾の管理をしている、
ペーペーの兵隊だ。

そんな彼のもとに下された命令は
おそらく軍の一部の勢力の
クーデターである。

核兵器を持って地球を攻撃するか、
そう脅すつもりなのだ。

それは世界を破滅に追いやる
戦争を引き起こすだろう。

今大人になって記憶をたどると、
実にうまいなと思うのは、
青年が実に淡々としているということだ。
非常に焦るのは、むしろ読者のほうなのだ。

そしてそれは世界に読者を引き込むことに成功
したということであり、『読者に一番大切な
者をゆだねる」ことに成功しているということ
なのだ。

青年は核兵器をしまってある倉庫に
入り、内側からロックして立てこもってしまう。

だが、それは青年の死をも意味していた。
というのは、核兵器に詰まれている
放射性物質からでる放射能
少しづつだが着実に体を破壊していくからだ。

短時間の作業ならば問題はない。
だが、ずっと倉庫に立てこもるというのは
問題外である。

作業員は、自分が浴びた放射能
計測するテープを携帯している。

次第に端から黒く変色していくのだ。

彼は上官に適当な嘘を告げて、
倉庫に入り、爆弾の起爆装置を
叩き壊していく。

一気に放射線量が上がる。

彼はもう何もすることはない。

無理やり倉庫をこじ開けて
入ってきても、そのときには
情勢が変わってしまっているし、
何より兵器は破壊されている。

クーデターは成立しないだろう。

彼はゆっくりと座って一服した。


これも結末は書かないが、
この粗筋だけで、ほとんど
短編の本質的なものは
ばれてしまっただろう。

とにかく、こういった話を
子供のとき読めたことは、
素晴らしい偶然だと思う。
(このネタはたぶん原子力発電所
舞台にした映画チャイナシンドローム
の元ネタになったんだろうと思う。
原発事故を隠そうとする企業と、
その危険を防ぐために管制室に
立てこもる男の話で、
この映画も素晴らしいと思った。
さらに言えば、ゴルゴ13にも
同じ発想の話があって、
ベストストーリーに選ばれてる)
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